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お役立ち記事 / 業務委託・契約

美容室・ネイルサロンの業務委託スタッフ、報酬から源泉徴収は必要?雇用との分かれ目も

2026.10.25個人事業主の味方 編集部

業務委託のスタイリストさんやネイリストさんに、歩合で報酬を払っているサロンは少なくありません。そこでよく出てくるのが「この報酬、源泉徴収しないといけないの?」という疑問です。

結論:施術の報酬は、源泉徴収の一覧に入っていない

個人に報酬を払うとき、お店が源泉徴収しないといけないものは、法律で種類が決まっています。国税庁はその範囲を次のように示しています。

  1. 原稿料や講演料など
  2. 弁護士・公認会計士・司法書士など、特定の資格を持つ人への報酬
  3. 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構が払う診療報酬
  4. プロスポーツ選手・モデル・外交員などへの報酬
  5. 芸能・テレビ出演などの報酬
  6. バーやキャバレーのホステス、宴会のコンパニオンなどへの報酬
  7. 役務の提供を約束して一度に払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金、馬主に払う競馬の賞金

この一覧に、美容師やネイリストの施術そのものへの報酬は入っていません。本当に「業務委託」として払っているのであれば、源泉徴収は原則として不要です。

ただし、モデルとしての撮影への報酬や、講習会の講師料(講演料)などは一覧に入るので、同じ人への支払いでも中身によって扱いが変わります。

気をつけたいのは「本当に業務委託か」

問題は、契約書に「業務委託」と書いてあっても、働き方の実態が雇用に近ければ、税金のうえでは「給与」として扱われることがある点です。給与なら、源泉徴収税額表を使った源泉徴収が必要になります。

厚生労働省の「労働基準法研究会報告」(昭和60年)が示す判断基準では、仕事の依頼を断れるか、指揮監督を受けるか、時間・場所の拘束があるか、報酬が働いた時間に応じているか、などを見ます。おおまかには、次のような点が多いほど雇用に近いと見られます。

雇用に近い 業務委託に近い
出勤日・時間をお店が決めている 自分で日時を決めて予約を受けている
施術のやり方を細かく指示される 技術・やり方は本人に任されている
材料・道具はすべてお店持ち 材料や道具の一部を自分で負担している
本人の代わりに別の人が入ることはできない 本人が手配した人に代わってもらえる
時間や日数に応じて払う 売上(成果)に応じて払う

どれか1つで決まるものではなく、全体を見て判断されます。迷ったら、契約を結ぶ前に税理士・社会保険労務士に確認するのが安心です。

2024年11月から、取引条件の書面が必要に

業務委託のスタッフが個人(従業員を使っていないフリーランス)の場合、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)のルールがかかります。2024年11月1日に始まりました。

お店から業務を委託するときは、報酬の額や支払期日などの取引条件を、書面やメールなどで明示することが求められます。口約束だけで続けているサロンは、見直しておきましょう。

明示する主な項目は次のとおりです(詳しくは公正取引委員会の資料をご確認ください)。

  • 委託する業務の内容
  • 報酬の額(歩合なら計算のしかた)
  • 支払期日
  • 業務を委託した日・提供してもらう日や期間
  • 給付を受け取る場所(施術をする場所)
  • 双方の名称

まとめ

  • 美容師・ネイリストの施術の報酬は、源泉徴収が必要な報酬の一覧に入っていない
  • ただし働き方が雇用に近ければ「給与」になり、源泉徴収が必要
  • モデル料・講師料など、中身によっては源泉徴収の対象になる
  • 個人に委託するなら、フリーランス法の取引条件の明示を忘れずに

歩合の計算、支払明細、契約書と取引条件の書面は、毎月同じことのくり返しです。スタッフごとのルールを一度決めて、あとは同じ形で出せるようにしておくと、月末がぐっと楽になります。

出典・参考

記事の内容は公開日時点の法令・公式資料にもとづきます。個別の判断は税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

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